足を運んだ劇場映画と選挙後、一週間目もまだ不調なブログ [映画]

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「ダンケルク」
監督 クリストファー・ノーラン 2017年アメリカ 106分

第2次世界大戦中、ドイツ軍はポーランドを侵攻し北フランスまで勢力を広げる。英仏連合軍はフランス北部のダンケルクに追い詰められる。海に投げ出される恐怖と飛行機からの爆撃のすさまじさが伝わってきた。イギリス首相のチャーチルは、ダンケルクに取り残された兵士40万人の救出を命じた。民間の船も救出に向かった。兵士が生きのびる手段は、自分をしっかり保って何事にもぐっと耐え、とっさの事にも素早く平常心で対処することだった。いつも緊張しているのはつらいことだが仕方がない。だれにもできることではないけれど。



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「関ケ原」
監督 原田真人 2017年日本 149分
会話がかなり早いと感じられ、もう一度見たいと思った場面も多く、事前に関ケ原の戦いの歴史や石田三成をはじめとする武将たちの名前も一通りは知っておく必要があった。


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母衣(ほろ) 

今回初めて知ったのは馬に乗った武将が背中に背負っている赤い布のことだった。
布は「母衣」と書き、ほろと読む。赤や黒(信長)や黄色(家康)があった。
首、冑、手の甲などに紐で結びつけ、後方からの弓矢などを防ぐ役割を果たした。
討ち取られた際、首は武将の名前の書かれた母衣で包み、丁重に扱われた。
石田三成はかなり偏屈だったとか、調べてゆくと大変興味深い。
くノ一(くのいち・女性忍者)との恋愛も挟まれていたが、石田三成の刑場に向かう最後の表情が、む・む・・いかにせん。くのいちに呼びかけられても動かない。目の色にも別れ行く心の恋人への感情が浮かばない。客席には2人の心の通い合いが伝わってこない。別にいいけど。いやこのままでいいのか。いいんでしょうか。


以下は次回に続く
「エイリアン・コベナント」「猿の惑星:聖戦記 グレートウオー」「ナミヤ雑貨店の奇蹟」



<いつまで続く?不調なブログ状態>
★画面下のnice(一例・100人)をクリックしても、以前は現われていた100人のアイコンが出ないで画面が固まることが多い。
今日は皆様のナイスがなかなか押せません。
ブログの左半分の画面が消えることもしばしば。ブログ画面下に2か月前にはなかった広告が出る。広告を非表示にしたいので、管理画面を開けて設定をクリック、広告設定をクリックして画面を開けても、全画面何の文字もなく白いまま、広告非表示の文字も何も出ていないので非表示設定ができない。

<頭脳明晰なありがたいご説明>
★ChinchikoPapa さんのご説明によるとこの状態は、選挙の当日をねらった、標的型攻撃の典型的なケースによって引き起こされたものだそうです。サーバが故障したのではなく、爆発的なトラフィック急増によるアクセス障害だそうです。皆様のところはいかがでしょうか。
ネットワークスイッチとサーバがともに処理遅延でパンクし、実質コンテンツを表示させることができなくなり遅延エラーとなったのだそうです。いつ頃回復するのでしょうか。


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10月25日で14歳を迎えたカンちゃん。いくつになってもめんこい。

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沈黙ーサイレンスー(5)個人的な覚書  ああ殉教 モキチ  他 [映画]

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モキチ

参ろうや 参ろうや パライソの寺に参ろうや  
この地上は日本人の彼らにとってあまりに苦しい。
苦しいゆえにただパライソの寺をたよりに生きてきた百姓たち。


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殉教でした。しかし何という殉教でしょう。略 
~たとえばその人たちの魂が天に帰る時、空に栄光の光がみち、天使が喇叭(ラッパ)を吹くような赫(かがや)かしい殉教を夢見すぎました。略~
日本信徒の殉教はこんなにみじめで、こんなに辛いものだったのです。
ああ、雨は小やみなく海にふりつづく。
そして海は彼らを殺したあと、ただ不気味に押し黙っている。
遠藤周作「沈黙」より

★基督教では洗礼を受けると今までの罪は許される。
<告解>カトリックでは洗礼を受けた後、受洗後に犯した罪の許しを告解室で神父を通して受けることができる。

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「死の棘」島尾敏雄 新潮社

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「狂うひと」梯久美子著 新潮社 
島尾敏雄と島尾ミホ(どちらもカトリックで洗礼を受けた)のことに言及した小説「死の棘」
の妻の場合「そのとき私は、けものになりました」
★このような赤裸々な美しく悲しいものをブログ主は初めて読みました。
追い追いブログに書き付けてゆくつもりです。

最近見た劇場映画
「アサシン クリード」「モアナと伝説の海」「ラ・ラ・ランド」


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沈黙ーサイレンスー (4)個人的な覚書 ~つづく~ [映画]

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通辞(通訳)   浅野忠信
地侍の息子が世に出るための学問として、天草や大村や有馬にある神学校に通い、洗礼も受けるには受けたのだが、修道士にも切支丹にもなるつもりはなかった。
「パードレたちは、いつも我々日本人を、馬鹿にしとられた。カブラルと言うパードレは格別我々を蔑(さげす)まれておられた。日本に来ながら、我々の家を嘲(あざけ)り、我々の言葉を嘲り、我々の食事や作法を嘲られておられた。そして私たちがセミナリオ(神学校)を出ても司祭となることを決して許されなんだ」遠藤周作著「沈黙」より 


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通辞(通訳)
「デウスにまこと慈悲の心あらば、なにゆえ天国に行く道に至るまで、さまざまな苦しみやむつかしき事を与えるとおもわるるか」

別の侍の言葉を通辞はゆっくりと訳した。
「ある土地では稔る樹も、土地が変われば枯れることがある。切支丹と呼ばれる樹は異国においては、葉も繁り花も咲こうが、我が日本国では葉は萎え、つぼみ一つつけまい。土の違い、水の違いをパードレはかんがえたことはあるまい」遠藤周作著「沈黙」より

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隠れキリシタンたちが祈ったマリア観音

「パライソ(天国)に行けば、ほんて永劫、安楽があると常々申されとりました。。あそこじゃ年貢のきびしい取り立てもなかとね。飢えも病の心配もなか。苦役もなか。もう働くだけ働かされて、わしら」
「ほんと、この世は苦患(くげん)ばかりじゃけねえ。パライソにはそげんものはなかとですかね、パードレ」遠藤周作著「沈黙」より

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枯松神社 の神社祭 長崎
弾圧のなかで、「神 社」としてカモフラージュしながら、信仰の対象となるサン・ジワンさまを祀ったキリシタン神社

★潜伏していた切支丹たちの信仰は、200年もの間司祭から指導を受けられず、悲母観音像を聖母マリアに見立てたりして、仏教や神道、民俗信仰と結びつき変化していった。



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沈黙-サイレンス-  (3)個人的な覚書~つづく~ [映画]

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井上筑後守(いのうえちくごのかみ 宗門奉行)  イッセー・尾形

一見してほんわかムード、子供のような無邪気さを持つ井上筑後守は、ものわかりの良さそうな温和な人物に見えた。
「余が今、切支丹の禁制を命ずるのは、世間一般の考えとは同じでない。」
「余は、切支丹を邪宗とはつゆ、考えたことはない。」
「エスパニア、ポルトガル、オランダ、エゲレスとそれぞれ名のる女たちが、日本と申す男の耳に、夜伽(よとぎ)のたび、たがいの悪口を吹き込み申してな」
「一人の男に醜女の深情けは耐えがたい重荷であり、不生女は嫁入る資格なしとな」



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しかし宣教師たちから悪魔と呼ばれていた井上筑後守は、蛇のような狡猾さで、巧みな方法を駆使し、それまでは拷問や脅しにもひるまなかった信徒たちを、次々と棄教させている。
先に長崎奉行として多くの切支丹を虐殺した竹中采女(たけなか・うねめ)などは、たんに凶暴で無智な人間に過ぎなかった。
井上筑後守が考案した穴吊りの刑は、司祭たちを棄教させた最たるものだった。


井上.jpg
井上筑後守はかつて切支丹だった。

日本の貧しい百姓の信徒たちが、何よりもまず聖母を崇拝していることを熟知していたので、踏み絵が終わったあと、「おまえらの息づかいが荒くなったのを見逃しておらぬぞ」と言って、踏み絵に唾をかけ、「聖母は男たちに身を委(まか)せてきた淫売(いんばい)」だと言わせた。
言えない者は切支丹とみなされた。
「沈黙」遠藤周作 を参考にしました。・・・ブログ主

<穴吊りの刑で呻いていた5人の切支丹たちを助けるために棄教した司祭フェレイラのことば>
〇デウスと大日とを混同した日本人は、その時から我々の神を彼ら流に屈折させ変化させ、そして別のものを作り上げ始めたのだ」「沈黙」遠藤周作 より

〇日本人は人間とは全く隔絶した神を考える能力を持っていない。日本人は人間を超えた存在を考える力も持っていない。」「沈黙」遠藤周作 より

〇日本人は人間を美化したり拡張したものを神と呼ぶ。人間と同じ存在のものを神と呼ぶ。だがそれは教会の神ではない。」「沈黙」遠藤周作 より


★通辞(通訳)や元司祭フェレイラと司祭ロドリゴとの問答も面白い。次回に~つづく~


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小さな坂を下りる時のカンちゃんは、下にいる人に受け止めてもらおうとして上からムササビのように飛びつく。
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沈黙 -サイレンス- (2)個人的な覚書 ~つづく~  [映画]

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キチジロー(性格そのものは本当に善良だが、意志の弱さと一寸した暴力にも震え上がる臆病者であり、捕まるたびに何度でも踏み絵をして転んだ(棄教したふりをした?)。
そのたびにキチジローは、執拗に司祭ロドリゴの後を追い、罪の許しを得ることができる告解(懺悔)をした。

キチジローは言う
「踏み絵をば俺(おい)が悦んで踏んだとでも思とっとか。踏んだこの足は痛か。痛かよォ。俺(おい)を弱か者に生まれさせ(て)おきながら、強か者の真似ばせろとデウスさまは仰せ出される」      仰せ出される・・・小説の中の原文のまま     (遠藤周作 「沈黙」より)


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銅版(踏み絵)のあの人は言う
「踏むがいい。お前の足の痛さをこの私が一番知っている。私はお前たちに踏まれるため、この世に生まれ、お前たちの痛さを分かつために十字架を背負ったのだ。」(遠藤周作 「沈黙」より)




「あれは鼾(いびき)ではない。穴吊にかけられた信徒たちの呻(うめ)いている声だ」
信徒たちはすでに転んでいるので、ロドリゴさえ棄教すれば、彼らを助けることができる。
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ポルトガル・カトリック教・イエズス会・司祭ロドリゴは転んだ。 岡田三右衛門と言う日本人名と罪人の妻子をもらい受けた。64歳没。


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「母なるもの」遠藤周作  新潮文庫
裏切者や背教者、弱者や罪人にも救いはあるか?



★キチジローのことを思うと泣けてくる。自分と重なるところがあるからだろう。
★皆様のところへはゆっくり訪問させていただきます。3月の初めまで投稿はお休みする予定です。


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沈黙 -サイレンス- (1)個人的な覚書 序 ~つづく~     [映画]

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監督 マーティン・スコセッシ 
2016年 アメリカ 165分

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教父フェレイラ(リーアム・ニーソン)

秀吉が従来の政策を変え基督教を迫害しはじめた結果、各地で切支丹が家を追われ、拷問を受け、虐殺され始めた。
徳川将軍もすべての基督教聖職者を日本から追放することにした。
ひそかに日本の地に隠れ残っていた基督教聖職者たちの中に教父フェレイラがいた。
長崎奉行の竹中采女(うねめ)は雲仙地獄の熱湯で基督教聖職者たちを拷問にかけた。
江戸初期、ポルトガルのイエズス会が日本に派遣していた教父フェレイラは、穴吊(あなづり・汚物を詰め込んだ穴の中に首を入れ、逆さに吊るされる)の拷問を受け棄教した。
教父フェレイラは沢野忠庵と言う日本名を奉行からもらい、死刑にされた男の妻と子もいっしょにもらった。
稀にみる神学的才能に恵まれ、迫害下にも不屈の信念を持ち続けていた教父フェレイラはなぜ棄教したのだろうか。
教父フェレイラは「私が転んだ(棄教した)のは、自分が3日間穴に吊られたからではない」と言う。
「(棄教したのは)穴吊りにされ呻き続ける信徒たちに対して、神が何一つなさらなかったからだ」と言う。
信徒たちが「棄教する」と言ったとしても教父フェレイラが棄教しない限り、彼らは許されなかった。



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司祭ガルペ(アダム・ドライバー)     司祭ロドリゴ(アンドリュー・ガーフイールド)

フェレイラの弟子だった司祭のロドリゴとガルペは、キチジローの案内で、マカオを経て長崎にたどり着く。
すぐに司祭を裏切る、まるでユダのようなキチジローや元切支丹のイッセー・尾形の井上筑後守、海の中に立てた十字架に縛り付けられ水磔にされながら聖歌を歌うモキチなどがとても興味深かった。
最後に転んだ司祭ロドリゴからもまた目が離せなかった。


司祭ロドリゴ(アンドリュー・ガーフイールド)
キチジロー(窪塚洋介)、井上筑後守(イッセー・尾形)、 通辞(通訳 浅野忠信)
モキチ(塚本晋也・映画監督)、 イチゾウ(笈田ヨシ)
彼らについての言及は~
次回につづく~


沈黙2.png
 踏み絵
「踏んだとて、心底の信仰がどうなるのでもない」遠藤周作「沈黙」より
★十字架(聖具)や聖画にあまりにも執着すると言うことは、偶像崇拝につながるのではないかと言う考え方もあるのだが・・・
★潜伏していた切支丹たちの信仰は、200年もの間司祭から指導を受けられず、悲母観音像を聖母マリアに見立てたりして、仏教や神道、民俗信仰と結びつき変化していった。




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遠藤周作 新潮文庫


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カンチの友の可愛いメリちゃん(推定8歳)が虹の橋を渡った。
メリちゃんは虐待を受け捨てられていた犬だったが、その後可愛がられ最後は安らかだった。
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その地を離れるやいなや20歳の女性が100歳の老婆に SF古典「失われた地平線」 [映画]

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ヒマラヤ山脈の西方の雪山に不時着した飛行機。

1931年戦乱の中国奥地バスクル(アフガニスタン)から脱出したイギリス外交官のロバート・コンウェイたち5人(本人、弟ジョージ、化石学者、詐欺師、娼婦)を乗せた飛行機は、ヒマラヤの雪山に不時着し、待ち構えていたかと思われるほど手際のよい人々によって、この世の桃源郷と言われる蝶が舞い、鳥が歌い、作物の豊富なシャングリラ(理想郷・桃源郷)に連れて行かれる。
美術品(絵画・彫刻)や調度品は文明社会から運ばれてきたものばかりで、図書館、グランドピアノもある。
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シャングリラ(理想郷・桃源郷)。霧が漂う調和に満ちた谷間。外界から隔絶された地上の楽園。
金鉱があるので物々交換をしている。

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シャングリラ。建物の内部での歓談

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ラマ僧 長老(カトリックのペロー神父・カプチン会)1734年、53歳でシャングリラに来たので年齢は250歳以上。

高山に守られたその地は、温暖の気候に恵まれ、長老(ベルギーからやってきたペロー神父)を中心に皆が長寿であり、2000人もの人が平和に暮らしていた。
長老は、コンウェイを後継者にするために、シャングリラへ導いたもようである。
コンウェイは不時着した全員でシャングリラを去る決意をするのだが・・・
弟ジョージは恋人マリアを連れて脱出するが、途中吹雪にあい、避難した雪山の窟でマリアがみるみるうちに老婆に変わってゆくのを見る。

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吹雪のシャングリラを脱出中のマリア

老婆マリア.jpg
老婆に変わったマリア


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ここより最後の内容に触れています
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イギリス外交官のロバート・コンウェイは困難な旅を経て、上海からイギリスに送還されることとなったが恋人の待つシャングリラへ引き返すのであった。

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イギリス外交官ロバート・コンウェイ(ロナルド・コールマン)
サンドラ(ジェーン・ワイアット)
「失われた地平線」1937年 134分 アメリカ
監督 フランク・キャプラ  脚本 ロバート・リスキン  原作 ジェームズ・ヒルトン

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「失われた地平線」1933年  2011年 河出書房新社
小説家 ジェームズ・ヒルトン (1900年~1954年)

その他の作品
「チップス先生さようなら」 1934
「心の旅路」(1941)
「忘れえぬ日々」(1945)
「めぐり来る時は再び」(1953)


1973年にリメイクされた映画『失われた地平線』もある


★映画「ブリガドーン」(迷い込んだ霧の中の長閑な村)と並んで映画「失われた地平線」は、日々埋没してゆくブログ主の桃源郷に対する郷愁と憧れの感覚を回復してくれる。
知識の上での現実対応だけでは過酷すぎて涙も出なくなる。

★最近見た劇場映画
「本能寺ホテル」「バイオハザード:ザ・ファイナル」「アイ・イン・ザ・スカイ世界一安全な戦場」



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山の郵便配達 午前十時の映画祭 [映画]

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原作・小説「那山 那人 那狗」(あの山 あの人 あの犬)ポン・ヂエンミン作
1980年代初期、湖南省西部の山岳地域。
120キロもの山あり谷あり、川ありの山道を歩いて郵便を配達するベテランの郵便配達人だった父が膝を痛め仕事を引退することになり息子が後を引き継ぐことになった。
息子の初めての2泊3日の郵便配達に、父のお供をしていた犬(次男坊と言う名で呼ばれている)と一緒に父も同行する。
郵便配達人の仕事は、村民たちとの深い交流だった。
目の見えない一人暮らしのおばあさんを訪ね、孫から来ていない白紙の手紙を読み上げお金を渡す。
トン族の結婚式の祝宴にも加わる。


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犬(シェパード 名前は次男坊)
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どこかしら故郷と似ている風景を見るために出かけた映画だったが、物語も素晴らしかった。
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★正月早々インターネットとメールができなくなった。
プリンターも機能停止になった。サポーター氏に頼んで改善ができほっとしている。
★コメント欄は、お一人お一人に丁寧にご返事ができないので、余裕ができるまで閉じさせていただいている。
★皆様のそれぞれが素晴らしいブログにはゆっくりと出かけさせてください。



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ガール・オン・ザ・トレイン [映画]

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「ガール・オン・ザ・トレイン」
仕事でニューヨークに通うふりをしている女性(レイチェル) 
監督テイト・テイラー アメリカ


電車で通勤途中の女性レイチェルが、いつも窓から一軒の家で暮らす愛情あふれる夫婦の姿をあこがれをもって見ていた。
「あの家には何があるんだろう」と何かがこれから起こりそうな予告編につられて見に行った。
途中から幽霊屋敷でもなくサイコパスが登場するのでもなく、ごく普通のサスペンスをややこしくしている映画なのかもしれないと思うようになって行った。

いつもう不安そうな瞳をした女性レイチェルは、夫と離婚し、女友達の家に寄宿させて貰っており、アルコールに溺れ、時々記憶を失い自分の思い込みに引っ張られて行動してしまう。
しかしレイチェルの周りの者に嘘をつき、いかにもレイチェルがひどい神経症を患っているように見せかけ、彼女の不安を陰であおっていたのは夫だった。
憧れていた夫婦の妻のほうが死体で見つかる。




これから先は少々内容に触れています
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女たらしのトム(レイチェルの元夫)
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原みつるさん作

トムはレイチェルと暮らしていた家を買い取り、現在の妻と赤ん坊と3人で暮らしている。
トムはべビシッターのメガンとも良い仲になっている。
メガンは自分の力を誇示する男性のスコットと一緒に暮らしていて心が落ち着かない。
心理カウンセラーのカマルに助けを求めようとする。
メガンとカマルが抱擁する姿を車窓から見たレイチェルはメガンが不倫をしているのだと勘違いし失望する。

メガンから妊娠を告げられたトムは、森の中でいとも簡単にメガンを殺す。
レイチェルが憧れの夫婦が住んでいると思い込んでいたその家を訪れるとメガンが死んでいた。
えらくバランスのとれた考え方ができる女刑事が時々捜査に現れ、女の勘などと言ってむやみやたらに犯人を断定しようとせず、とうとうと意見を述べる態度が大変面白かった。


トムはレイチェルまで殺そうとするが、逆にレイチェルにものすごい殺され方をされる。
正当防衛だった。
女性3人と男性3人の愛憎劇だった。



<最近見た劇場映画>

「シークレット・オブ・モンスター」
シークレット.jpg

★怪奇映画ではなく美少年が独裁者になってゆく子供時代に重点を置いた映画。
カトリックの母と留守がちな米政府高官の父に厳格にしつけられつつ、美少年は途中から崩れ始める。


「君の名は。」
君の名は.png
★題名の、君の名はの後に句点の 。がついている題名も珍しい。
監督と脚本 新海 誠   小説(原作)新海 誠 
情景描写と情感がマッチしていて素晴らしい。天才監督がんばれ!

何の知識もなく見たので最初は高校生の男女の体に別々の魂が入れ替わるのがよくわからなかっ
たが切なく美しい男女の出会いに心ひかれた。
1000年に一度地球のそばを通過する彗星が、ある田舎の町に落ちる。
「君の名は。」を投稿する前に、たまたま小説「君の名は。」の横に並べられていた「とりかえばや物語」平安時代後期・作者不詳(田辺聖子訳)を手に入れ読んでいる。

とりかえばや.jpg
「とりかえばや物語」平安時代後期・作者不詳(田辺聖子訳)
春風(女性なのに男性として育てられている)と秋月(男性なのに女性として育てられている。)



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おばさんチのメリちゃんとのやり取りが面白い。







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「手紙は憶えている」(原題「REMEMBER」) [映画]

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題名の「手紙は憶えている」の手紙は、誰が誰にあてた手紙なのか理解できていると少しは謎めいた内容がわかって来るかもしれない。
介護施設で暮らしている認知症で90歳のゼヴ(クリストファー・プラマー)は、同じ介護施設にいる車椅子でしか動けないマックスから手紙をもらった。
認知症のゼヴと車椅子でしか動けないマックスは、アウシュビッツ収容所の生き残りらしい。
ゼヴは目が覚めると、自分の妻が亡くなっていることも記憶にないらしく、2人がアウシュビッツの生き残りだということは、マックスがそう言っているに過ぎないのだが。


わかりにくい映画だし、最後のどんでん返しにも寒気を覚える。
見終わった後、こんなに極端な悪夢を誘発する映画も珍しい。
一番そうでもなさそうな人が犯人だったと言う映画はいくらでもあるが、これほど痛々しい体験と度肝を抜かれる認知症の老人の記憶の蘇りはなかった。
なんだか回りくどくなってしまった。

手紙は憶えている1.jpg
ゼヴとマックスの家族を殺したのは、ナチスの兵士のブロック長のオットー・ワリッシュだった。
オットー・ワリッシュは、ルディ・コランダーと名前を変えアメリカかもしくはカナダで生きているらしいのだ。
ルディ・コランダーは4人おり、その中から元ナチのオットー・ワリッシュを見つけ出すために、ゼヴは車椅子のマックスに代わり、一人一人の自宅を訪問する。
本物のナチスの兵士オットー・ワリッシュを殺すためにゼヴは拳銃を買い求める。

手紙は4.jpg
ゼヴはピアノがうまい。
訪問した家や施設でメンデルスゾーンやワーグナーを弾きこなす。
その昔ワーグナーの曲を絶賛していたのは、ヒットラーだったのだが・・・・。
1人目に訪問したルディ・コランダーは、第二次世界大戦当時アフリカの軍隊にいて白。
2人目は若い同性愛者で白。
3人目は他界していてナチの料理番だった。


以下から内容に触れています



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4人目のルディ・コランダーは老人で、問い詰めるとアウシュビッツ時代の名は「クインベルト・ストーム」だった。
アウシュビッツでブロック長をしていた2人の男の中の1人だった。
ゼブがクインベルト・ストームに向かっておまえの名は「オットー・ワリッシュだろう嘘をつくな」と確信的に言うと「私はクインベルト・ストームだ。」という返答が返ってくる。
クインベルト・ストームの孫娘に銃口を向け、本当のことを言わないと殺すと脅すと、クインベルト・ストームは、「お前がオットー・ワリッシュだ」とゼヴに向かって言い放った。


なんと!ナチスの兵士オットー・ワリッシュはゼヴだった


ゼヴとクインベルトの腕の入れ墨の番号は、ナチが外国で生き残るための入れ墨だったのだ。
ゼヴはストームを撃った後「思い出したよ」 と言って自分の頭に銃口を向け自殺する。
手紙は2.jpg
2015年 95分 監督アトム・エゴャン





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