エッセイ集「団塊少年」  中州次郎著 [本]

いただいた年賀状にエッセイ集「団塊少年」 の御紹介があった。
笑えて泣けて驚愕して一挙に読み終えたエッセイ集だった。
面識はなかったが、ほぼ同じ土地に生まれ、同じ高校出身だったので、3年ほど前の同窓会でとなりの席に座られた方だった。
一昨年前には「なりきり映画考」と言う本も出しておられ、その中で、「映画は監督の罠である。誘いこむのは役者たちである。憑依されるのは観ている我々である。憑依しなりきれた映画は、すべて名画である。」
と書いておられる。同感である。
エッセイ集「団塊少年」には、北朝鮮に帰ったキム君のこと、6歳で亡くなり海岸で荼毘に附されたので、なかなかお骨にならなくて何度も燃料を継ぎ足した1歳違いのお兄さんのこと、商売をされていた御両親のこと、町中のありとあらゆる職業を見て回ったこと、青春の思い出など、人情厚くまさに中に入り込んで一体化して書いていらっしゃる。
11歳の少女が母親と2人で、DVの父親の首に紐を巻きつけ紐殺した話があった。
その少女は高校の時に私と同じクラスだったが、聡明ではきはきとしており大人びていた。
減刑の嘆願書が出され、執行猶予になったと教師から聞いた。
その頃は、DVという言葉もなく隣近所にばれていない殺意と憎しみを抱かせるDVの父親は沢山いた。
母親と自分を守るために父に手をかけてしまい、一生かけてその菩提を弔っている者、憎しみと殺意を持ったまま父から何十年も離れ、仕方なく死を看取った者、どちらも地獄である。






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