ヒマラヤの断崖絶壁に立つ城  尼僧の表情の変化に驚愕  こんなことが世の中にあるなんて     映画「黒水仙」 [映画]

行ってみたいヒマラヤの断崖絶壁に立つ城
黒水仙の城.jpg

映画「黒水仙」
監督 マイケル・パウエル 公開1951年 イギリス 100分
修道院長 デボラ・カー
黒水仙1.jpg

インドのカルカッタにいる尼僧たちに、ヒマラヤのディーンと言う英国人の男性から、学校や病院を作りたいと言う領主からの依頼があるので、奉仕活動をして欲しいと言う手紙が届いた。
若くて静かな美しさをたたえた修道院長クローダ(デボラ・カー)と4人の尼僧たちがヒマラヤの現地に赴いた。
しかし僻地での奉仕活動のあまりの過酷さに、活動を中止して帰りたいたいと言う者まで現れた。
修道院長クローダ役のデボラ・カーは、永遠の美女と言える女性で、水晶の透明感と神々しいダイヤの輝きを持っており、しかも神秘的な水底を思わせる静かな気品を漂わせている。

断崖絶壁に建てられた石作りの建物の朝や黄昏の映像は、この世のもので最高のものの一つだろう。
1人の精神的に不安定な若い尼僧ルーズが、ディーンと言う男性に恋愛妄想を抱くようになった。
カルカッタから赤い口紅と洋服を取り寄せた彼女は、尼僧から完全に狂った女性に変身し、ディ―ンと言う英国男性に言い寄るがあっさり断られる。
その原因が美しい修道院長クローダにあると妄想した彼女は、絶壁にある鐘をついている修道院長を、断崖絶壁から突き落とそうとし、誤って足を踏み外し自分が谷底へ落ちてゆく。


信仰を持ちどのような聖職と呼ばれる奉仕活動を行っても、男女が接近すると一つ誤ると大変な地獄に陥ることもあるのだ。
嫉妬心と焦燥感は、本人が死ねばおさまるのだけれど、また他の誰かに起こることだ。
「神は人々のなすがままになされた」と言う聖書の言葉を思い出す。
冷静でだれにも頼らない修道院長クローダさえも、男性ディーンの前ではおや?と思うほど気が高ぶり泣きじゃくることがあった。
尼僧になる前の過去の恋愛問題が蘇って来て彼女を苦しめていたのだ。
恋愛の痛手は、彼女が英国からインドそしてヒマラヤの奥地に来てさえも、まだなおかつ彼女を苦しめている。
命さえも危うい荒れた土地で、追い込まれた男女が共にいると、子孫を残さなければと言う遺伝子からの要求も手伝って、抑えていた様々なことが異様な姿を現し始める。

めったに見られない尼僧の恐ろしい表情は見る者を震撼させる。
ほかにももっと戦慄を覚える表情もあったが、1000倍すさまじいので載せていない。

尼僧ルーズ(女優キャスリーン・バイロン)の嫉妬と焦燥の表情 
黒水仙 嫉妬の顔(2).jpg


修道院長クローダ(デボラ・カー)クールビューティー
黒水仙 題字なし デボラ・カ―の絵.jpg


★映画の題名「黒水仙」は1911年発表のフランスの香水の名前。メーカー名はキャロン。
映画の中で、若いインドの将軍が、ハンカチにこの香りを沁み込ませていた。聖職者の彼女たちにとって、この香水の香りは、世俗の象徴だった。
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