映画「永遠のマリア・カラス」 [映画]

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監督 フランコ・ゼフィレッリ 2003年公開 108分 
オペラの舞台での心理描写と演技力が群を抜いている、20世紀最高のプリマドンナの一人であるマリア・カラスは、恋人のギリシャの海運王オナシス亡き後、パリで隠遁生活を送っていました。


打ちひしがれたマリア・カラス(ファニー・アルダン)に、友人の音楽プロモーターからオペラ映画の企画が持ち込まれます。
映画「永遠のマリア・カラス」の内容はフイクションですが、彼女が亡くなる半年前には、実現されなかったけれど、似たような企画オペラ「トスカ」があったようです。
全盛期の頃のマリア・カラスの声は、ドラマッテイックで、黄金の翼のついた何千もの盾が反射の輝きを重複させ、その中から生まれた無数の剣が光を放ってるようでした(筆者)
37歳前後から独特な歌唱法による喉の酷使で高音が出なくなり始め、完璧主義の彼女は、世界中を回るのに疲れ果てたのか、オナシスとの愛人関係にのめりこみ、オペラから遠ざかりました。
オナシスは彼女の歌を「退屈だ」と言ったとか、せっかく天からもらった美声と演技力をこんな打算的な浮気者の男のために眠らせるとは・・・・


私が一番好きだった映画のシーンは、夜中に孤独なマリア・カラスがオペラの仕事を受けるかどうか迷って悩んでいる時、「とにかく歌え、歌はお前の命だろう?」と言う感じで豪華な衣装を付けた「歌の精」が現れ部屋中に響き渡るオペラを歌うシーンです。(声はマリア・カラスの美声を使用)
彼女は、全盛期の自分の姿を借りた「歌の精」と対面して、その頃のやる気と歌に対する切ないほどの畏敬の念と憧れを少しばかり取り戻したのではないでしょうか。
ファンとしては、戦闘的な輝かしい歌い方をする若い頃のマリア・カラスもいいと思うのですが、彼女の年齢に応じた演技や歌のそれぞれを味わってみたかったですね。
映画「王女メディア」で王女を演じた彼女は、女の悲しさと意地と魔力を炎のように発していましたが、裏切った夫の子供を殺傷してしまうものすごい情念は、他のどの女優が演じても影が薄くなり、彼女にこそピッタリの役であるような気がしました。
劇中劇でマリア・カラスは映画「カルメン」を円熟した表現力で魅力的に演じ、声は全盛期の声を使用、ついに映画が完成しました。
結局、彼女は口パクの演技と、全盛期に録音した声を使用したことに虚しさを覚え「カルメン」の映画は没にすることにしました。
彼女のために大勢の共演者とスタッフが振り回され、多額の費用、皆の汗と涙が反古になりました。
マリア・カラスは54歳でこの世から去りました。

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★新しいパソコンを手に入れるために奔走中。
しばらくみなさんの所に拝見に行けないのがとても残念です。
いまさら、マリア・カラスでもないと言われそうですが、初めのころの投稿で閲覧者がゼロでしたので、再投稿しました。
音楽教室の発表会、1日ずらして同時にある小学校と中学校の同窓会が楽しみです。




★柴犬カンチの足跡日記 
http://blog.livedoor.jp/kanchi_m/





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