「手紙は憶えている」(原題「REMEMBER」) [映画]
題名の「手紙は憶えている」の手紙は、誰が誰にあてた手紙なのか理解できていると少しは謎めいた内容がわかって来るかもしれない。
介護施設で暮らしている認知症で90歳のゼヴ(クリストファー・プラマー)は、同じ介護施設にいる車椅子でしか動けないマックスから手紙をもらった。
認知症のゼヴと車椅子でしか動けないマックスは、アウシュビッツ収容所の生き残りらしい。
ゼヴは目が覚めると、自分の妻が亡くなっていることも記憶にないらしく、2人がアウシュビッツの生き残りだということは、マックスがそう言っているに過ぎないのだが。
わかりにくい映画だし、最後のどんでん返しにも寒気を覚える。
見終わった後、こんなに極端な悪夢を誘発する映画も珍しい。
一番そうでもなさそうな人が犯人だったと言う映画はいくらでもあるが、これほど痛々しい体験と度肝を抜かれる認知症の老人の記憶の蘇りはなかった。
なんだか回りくどくなってしまった。
ゼヴとマックスの家族を殺したのは、ナチスの兵士のブロック長のオットー・ワリッシュだった。
オットー・ワリッシュは、ルディ・コランダーと名前を変えアメリカかもしくはカナダで生きているらしいのだ。
ルディ・コランダーは4人おり、その中から元ナチのオットー・ワリッシュを見つけ出すために、ゼヴは車椅子のマックスに代わり、一人一人の自宅を訪問する。
本物のナチスの兵士オットー・ワリッシュを殺すためにゼヴは拳銃を買い求める。
ゼヴはピアノがうまい。
訪問した家や施設でメンデルスゾーンやワーグナーを弾きこなす。
その昔ワーグナーの曲を絶賛していたのは、ヒットラーだったのだが・・・・。
1人目に訪問したルディ・コランダーは、第二次世界大戦当時アフリカの軍隊にいて白。
2人目は若い同性愛者で白。
3人目は他界していてナチの料理番だった。
以下から内容に触れています
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4人目のルディ・コランダーは老人で、問い詰めるとアウシュビッツ時代の名は「クインベルト・ストーム」だった。
アウシュビッツでブロック長をしていた2人の男の中の1人だった。
ゼブがクインベルト・ストームに向かっておまえの名は「オットー・ワリッシュだろう嘘をつくな」と確信的に言うと「私はクインベルト・ストームだ。」という返答が返ってくる。
クインベルト・ストームの孫娘に銃口を向け、本当のことを言わないと殺すと脅すと、クインベルト・ストームは、「お前がオットー・ワリッシュだ」とゼヴに向かって言い放った。
なんと!ナチスの兵士オットー・ワリッシュはゼヴだった。
ゼヴとクインベルトの腕の入れ墨の番号は、ナチが外国で生き残るための入れ墨だったのだ。
ゼヴはストームを撃った後「思い出したよ」 と言って自分の頭に銃口を向け自殺する。
2015年 95分 監督アトム・エゴャン
柴犬カンチの足跡日記
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