沈黙 -サイレンス- (1)個人的な覚書 序 ~つづく~     [映画]

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監督 マーティン・スコセッシ 
2016年 アメリカ 165分

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教父フェレイラ(リーアム・ニーソン)

秀吉が従来の政策を変え基督教を迫害しはじめた結果、各地で切支丹が家を追われ、拷問を受け、虐殺され始めた。
徳川将軍もすべての基督教聖職者を日本から追放することにした。
ひそかに日本の地に隠れ残っていた基督教聖職者たちの中に教父フェレイラがいた。
長崎奉行の竹中采女(うねめ)は雲仙地獄の熱湯で基督教聖職者たちを拷問にかけた。
江戸初期、ポルトガルのイエズス会が日本に派遣していた教父フェレイラは、穴吊(あなづり・汚物を詰め込んだ穴の中に首を入れ、逆さに吊るされる)の拷問を受け棄教した。
教父フェレイラは沢野忠庵と言う日本名を奉行からもらい、死刑にされた男の妻と子もいっしょにもらった。
稀にみる神学的才能に恵まれ、迫害下にも不屈の信念を持ち続けていた教父フェレイラはなぜ棄教したのだろうか。
教父フェレイラは「私が転んだ(棄教した)のは、自分が3日間穴に吊られたからではない」と言う。
「(棄教したのは)穴吊りにされ呻き続ける信徒たちに対して、神が何一つなさらなかったからだ」と言う。
信徒たちが「棄教する」と言ったとしても教父フェレイラが棄教しない限り、彼らは許されなかった。



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司祭ガルペ(アダム・ドライバー)     司祭ロドリゴ(アンドリュー・ガーフイールド)

フェレイラの弟子だった司祭のロドリゴとガルペは、キチジローの案内で、マカオを経て長崎にたどり着く。
すぐに司祭を裏切る、まるでユダのようなキチジローや元切支丹のイッセー・尾形の井上筑後守、海の中に立てた十字架に縛り付けられ水磔にされながら聖歌を歌うモキチなどがとても興味深かった。
最後に転んだ司祭ロドリゴからもまた目が離せなかった。


司祭ロドリゴ(アンドリュー・ガーフイールド)
キチジロー(窪塚洋介)、井上筑後守(イッセー・尾形)、 通辞(通訳 浅野忠信)
モキチ(塚本晋也・映画監督)、 イチゾウ(笈田ヨシ)
彼らについての言及は~
次回につづく~


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 踏み絵
「踏んだとて、心底の信仰がどうなるのでもない」遠藤周作「沈黙」より
★十字架(聖具)や聖画にあまりにも執着すると言うことは、偶像崇拝につながるのではないかと言う考え方もあるのだが・・・
★潜伏していた切支丹たちの信仰は、200年もの間司祭から指導を受けられず、悲母観音像を聖母マリアに見立てたりして、仏教や神道、民俗信仰と結びつき変化していった。




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遠藤周作 新潮文庫


柴犬カンチの足跡日記
カンチの友の可愛いメリちゃん(推定8歳)が虹の橋を渡った。
メリちゃんは虐待を受け捨てられていた犬だったが、その後可愛がられ最後は安らかだった。
http://blog.livedoor.jp/kanchi_m/


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