現代版 遠野物語「山怪」(さんかい) 著者・田中康弘  山と渓谷社 [本]

ねね、きいた.gif
原 みつるさん作


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「山怪」(さんかい) 著者・田中康弘 山と渓谷社 1200円
山で働き暮らす人々が実際に遭遇した奇妙な体験。現代版遠野物語(本の帯より)


民話や昔話とは違っていて起承転結がはっきりとあるわけではない魅力的な不可思議な出来事。 宗教的または道徳的戒めを含む要素が皆無な、大蛇や狐や狸や河童に関する謎の現象譚を集めている。



★一番怖ろしかった話を1つ御紹介。
「もう一人いる」

白山連峰。5人の作業員が、登山道の拡幅作業で現場に入った。
15時前に天候が急変しガスがかかってきて30センチ先も見えなくなったので、下山することになった。
ムカデ競走よろしく一列になると、5人とも前の人のリュックに手をかけて歩きだした。
その時、班長が変なことを言い始めた。
「いいか、何か来るかもしれないけど絶対に慌(あわ)てるな!落ち着いて黙っているんだぞ、絶対に慌てるなよ。そうすれば何もしないんだから」

「おぅい!!ちょっと待ってくれ、何か、来たみたいだよ~」一番後ろを歩いていた同僚が情けない声を出した。
「よーし、止まれー。後ろを向くなよー」
いったん小休止して、全員登山道に座り込んだ。

再び全員で立ち上がった。
「どうだぁ、まだいるかぁ?」
「う~ん、まだいるみたいだなあ・・・・」
「そうかぁ、よ~しもう一度全員しゃがむぞー」
再びしゃがみこんだ男たち。

★いったい何が起こっているのだろう(ブログ主)
「濃霧の日には何かが出るらしいんですよ」と書いてあってもよくわからない・・・。



あの時起こったことはこうだ。 列の最後尾を歩いている人のリュックを何者かがぐっと掴んだのである。
そんな時は、絶対に振り向いてはならない。
そして大声を出して騒いでもいけない。静かに少し待つのである。
そうすれば、必ずその何者かは去ってゆくらしい。
・・・・見えない何かがそこにいるらしい。


山で働き暮らす人々が遭遇した人情味あふれる奇妙な体験が53話も掲載されている。
このような目に見えないものを絵にしたのが漫画家の水木しげるさんだろう。

がしゃどくろ.jpg
がしゃどくろ 水木しげる
がしゃどくろとは、近代になって創作された日本の妖怪。
戦死者や野垂れ死にした者など、埋葬されなかった死者たちの骸骨や怨念が集まって、巨大な骸骨になってしまったもの。



柴犬カンチの足跡日記 12歳の誕生パーティの様子
http://blog.livedoor.jp/kanchi_m/


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