安曇潤平(あずみじゅんぺい) 山の霊異記「赤いヤッケの男」 極上の山岳会談実話 [本]
山の霊異記「赤いヤッケの男」(26話) 安曇潤平・著 MF文庫 ダ・ヴィンチ ¥619
日本の山にまつわる怪談奇談を集めた本。
作者自身が体験した話もあるし、山仲間や、あるいは一杯やりながら山小屋のオヤジから聞いた話もある(まえがきより)
★どんなに低い山でも、思いがけないことが起こる場合がある。
石が落ちてきたり、雷や霧に出会い道を失い、川にはまったりすることだってある。
いつ命を落とすかもわからない緊張感と不思議な話を聞くことができると言う類まれなる体験ができるということで、最近、山の霊異記本に興味を持つようになった山育ちのブログ主である。
★キジ打ちとは登山用語で用をたすことだと言うことを知った。
原みつるさん作
ザックがもたれかかっているはずがない。
何か言い知れぬ恐怖を感じて、谷山は自分の右肩を見た。
何があったと思う?
赤いヤッケの男さ。
(本のカバーの裏に記されていた、赤いヤッケの男の文章の一部)
★運べそうにないので山に置いてきたはずの遺体がそこにあった。
下山する途中で遭難し、救助隊に助け出された自分が背負ってきたものらしい。
山そのものより山麓の地酒とその土地の珍味を愛する私は、登山を趣味とする他の人々と違って、山行きを共にするよりも、居酒屋で山の仲間と顔を合わせることのほうが多い。
(「赤いヤッケの男」 八号道標の冒頭より)
安曇潤平氏のサイト 裏自己紹介(北アルプスの風)
http://www.cam.hi-ho.ne.jp/junpei_s/kaidan-jiko-shokai.htm
4歳。トンボを捕りに行った夕暮れ。大池から突き出す小島の先で、刃の先を水面に浸す甲冑を着た武士の姿を見る。畠山重忠が戦の前に水溜りで刃を洗ったところ、その水溜りが大きくなって大池となったという、地元に伝わる伝説を知ったのは小学生になってからのことである。(裏自己紹介より)
★異質な自己紹介を読むだけでも、こんな世界があるのかと怖くて面白くて興味深い。
安曇潤平氏の他の本「黒い遭難碑」「ヒュッテは夜嗤う」
現在は、「ヒュッテは夜嗤う」を読んでいるので、後ほど御紹介。
柴犬カンチの足跡日記 カンちゃんが住む北海道に冬到来
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